コンテンツマーケティング、2014年の6つの成功事例
企業が潜在顧客に広告やプロモーションを大量に送りつける「インタラプティング(遮る)マーケティング」の時代が終わり、代わりに関連するコンテンツを発信する「コンテンツマーケティング」の時代がやってきました。そして2014年は、自社のコンテンツマーケティング戦略を大幅に見直し、コンテンツマーケティングを進化させた年でもありました。
成功した企業が実践したオンラインマーケティングを見ると、完全に顧客を中心にすえた、興味深く、有益で且つタイムリーにコンテンツを提供することに重点を置いていることが分かります。
ここで2014年を振り返り、最も優れたコンテンツ戦略を実践した6社の事例を参考に、彼らから何が学べるか探ってみたいと思います。
CHIPOTLE(チポトレ)
ブリトー、タコス、ボウルを提供するメキシカン・グリルの会社、チポトレは2014年に3分22秒のショートフィルムをリリースし、動画がいかにコンテンツマーケティングにおいて有効かを証明しました。しかし、チポトレはそれだけに留まらず、その動画を「Scarecrow(かかし)」と名づけた大規模なコンテンツマーケティング キャンペーンの一環と位置づけ 、ショートフィルムに加えスマートフォンのゲームやウェブサイトを展開したのです。
チポトレは、加工食品のマイナス面に人々の関心を集めるための映画やゲームを作成しました。またそれと同時に、チポトレを選ぶことはより賢く、サステーナブル(持続可能)であるというメッセージを発信したのです。ビデオは1100万回以上視聴され、ゲームは40万回以上ダウンロードされました。チポトレは、彼らの顧客ベースに対し、マルチメディアを用いて商品の宣伝を行いました。面白味があり、興味をそそる内容で、口コミで広がっていくものを作りあげたのです。
AIRBNB(エアービーアンドビー)
旅行者が宿泊施設として家やアパートを利用するためオーナーとコンタクトをとれる旅行サービス、AirBNB。彼らは2014年、二つの方法でコンテンツマーケティングを改善しました。まず、チポトレと同様、素晴らしい動画を制作しました。ただAirBNBが異なる点は、ユーザーを巻き込んでショートクリップを作った点です。旅行者が旅のワンシーンをビデオに収め、AirBNBに投稿するよう促しました。AirBNBはその投稿された動画を使って、紙飛行機や紙ボート、折り紙、その他の紙でできたクラフトが世界を駆け巡るという約4分のショートフィルムを作りました。彼らがフィルムを作った理由は、人々がもっと旅をしたくなるようにインスパイアするためだけではなく、ユニークで面白みのある方法で顧客とのエンゲージを高めるためだったのです。
AirBNBが2014年の最も素晴らしいコンテンツマーケティング·キャンペーンの一つであるという二つ目の理由は、彼らのユニークなご近所ガイドにあります。ガイドは卓越した文章で美しくレイアウトされており、ユーザーが喜ぶ関連性の高い情報が盛り込まれていました。
QDOBA(キュードーバ)
ブリトーからナチョスまであらゆるメキシカングリルのファーストフードメニューを提供するQdoba。ソーシャルメディアをうまく活用した事例は、2014年の卓越したコンテンツマーケティングの一つとして挙げられるでしょう。見過ごされがちではありますが、ソーシャルメディアは非常に重要なコンテンツマーケティングの一つで、Qdobaが行ったフェースブック上でのオンライン投票は非常に成功したといえます。多くの企業がフェースブック上で投票やコンテストを行っていますが、Qdobaはリアルタイムで結果が見れたという点で、ユーザーをうまく巻き込むことができたといえます。この小さなQdobaの投票イベントはQdobaファンと顧客を盛り上げ、話題としても広がり、多くの人々がエンゲージされました。
CHARMIN(シャーミン)
愛くるしい熊のコマーシャルで知られるトイレットペーパーの会社、Charmin。2014年は‘Sit or Squat’(座るかしゃがむか)というぴったりな(ぴったりでない?)ネーミングのモバイルアプリを作りました。これは外出先で公衆トイレが探せるというものです。アプリに加え、ユーザーがアクセスできるサイトも用意しました。
もちろんアプリはクリエイティブで素晴らしい出来でした。でも特に優れていた点は、顧客が公衆トイレを見つけた際に、すわり心地がいい(綺麗なトイレ)、もしくはしゃがむのは避けた方がいい(汚いトイレ)などとトイレを評価できる点でした。見事なアイデアだと思いませんか?
WILLIAMS–SONOMA(ウィリアムズ・ソノマ)
動画もコンテストもない、高級キッチンウェアを販売するウィリアムズ·ソノマによる典型的な単なる料理ブログです。ウィリアムズ·ソノマの商品(耐熱皿、調理器具、食器、キッチンの収納製品など)を取り入れ、ライフスタイルにインスピレーションを与えるストーリーのイメージやコンテンツを豊富に紹介するのと同時に、ブログ“テイスト”は顧客にラズベリー入りのブラウニーの作り方、トマトの自家製缶詰めを作る方法、スモーク ベビーバッグ リブの作り方など、ありとあらゆる情報を提供しました。“レシピ”や“エンタメ”“暮らし”のような読者の関心が高い興味をひきつけられるタイトルをうまく並べ、わかりやすいナビゲーションで、新鮮なフルーツや野菜にオーブン料理、そしてガーデニングなど、アートと呼べるほどのクオリティの高い写真を次々にアップした非常に質の高いコンテンツを紹介しています。
BRITISH AIRWAYS(英国航空)
英国航空が2014年に行ったキャンペーン“#lookup”も、最も素晴らしいコンテンツマーケティングの一つといえます。これは、英国航空の飛行機がポスターの頭上を通過するたびに子供たちが指さすシーンをポスターとして展開したものです。ポスターは子供が飛行機を指差しているだけでなく、実際のフライトナンバーとどこから来た飛行機かも紹介しました。この#lookupのハッシュタグはソーシャルメディアでシェアができるような仕組みになっており、このプロジェクトはたくさんの人々の話題にのぼりました。ビルボードでは一般客に向け彼らのサービスを紹介し、気の利いた情報をのせ、大々的なキャンペーンの中心的存在として位置づけました。これはオフライン広告とオンラインのコンテンツマーケティングが結合した素晴らしい例といえます。
2014年に成功したコンテンツマーケティング例から学べること
コンテンツマーケティングで成功した企業は、一貫して本物のストーリーを提供し、消費者と個人的なレベルでつながることを重視し、キャッチーなビジュアルコンテンツを用いるなど、クリエイティブなアイデアを盛り込んでいます。多くの企業はこれらの一つ又は二つ程度の要素は当てはまるかと思います。優秀なコンテンツマーケッターは彼ら自身そして組織も日々切磋琢磨しているのです。
ぜひこれらのヒントを参考にしてコンテンツマーケティングにトライしてみてはいかがでしょうか。
(本内容は2015年7月18日投稿の人気記事を翻訳したものです)