バナーブラインドネスを克服する方法
セールのお知らせやブランドのビルボード広告に囲まれた、人通りの多い大通りを歩いているご自分を想像してみてください。
しかし、あなたは目隠しをつけているように、見えるのは前に続く道だけ。プロモーションや広告は、もはやあなたにとっては無駄なものと化している状態。
これは大げさに聞こえるかもしれませんが、「バナーブラインドネス」というネットで見られる現象とほぼ同じ状況です。
バナーブラインドネスは、盲目に近しい状態、つまり必要とするオンライン情報を獲得することだけに集中しており、それ以外のことはまったく見えなくなってしまうのです。広告主にとっては些か心配な話ですが、バナーブラインドネスはますます一般化しつつあります。2013年のバナー広告の平均クリック率(CTR)は1%でした。最近の調査によると、現在は0.05%程度だといいます。
では、デジタル広告の時代は終わってしまったのでしょうか?もしくは廃れつつあるのでしょうか?そうではありません。デジタル広告は、たとえバナー広告であっても、まだ信じられないほど高い収益性を誇っています。ただし、ノイズを克服する戦略を立てる必要があります。
このブログでは、バナーブラインドネスに打ち勝つために必要な戦略、例えば、新しさを求める人間の欲求を利用すること、ユーザーの行動を追跡すること、パーソナライゼーションの力などについて深く掘り下げていきます。
バナーブラインドネスとは?
バナーブラインドネスは、おそらくみなさまも知らず知らずのうちに経験しています。私たちの多くは、オンラインコンテンツを素早くスクロールし、広告を無視することが多くなっています。興味のある情報を得ることに集中し、それ以外のことは考えないからです。心理学では、これは「選択的注意」として知られている現象です。
簡潔に表現するならば、自身が圧倒されていると感じることに対するある種の防衛反応であると言えます。当然のことながら私たちは、身の回りにあるものすべてを取り入れることはできません。広告を含む大量の情報に常にさらされているオンラインの世界では、情報過多に陥ってしまうからです。
これは、まさにマーケターが向き合わなければならない真の課題です。どうすれば、人々の意識に入り込み、真のアテンションを獲得する広告を作ることができるのでしょうか。
すぐに役立つ戦略をいくつかご紹介しましょう。
なぜバナーブラインドネスがこれほど問題なのか?
時計の針をインターネットの黎明期に戻してみると、当時、バナー広告は目新しいものでした。今となっては信じられないことですが、かつては注目を集めるための新鮮で刺激的な方法でした。そのため、クリック率は高く、マーケターは大喜びしていたものです。
しかし、多くの新しいものがそうであるように、目新しさはすぐに消え去ってしまいました。最近では、デジタル広告は珍しいものではなくなり、人々は広告に飽きてしまい、鈍感になってしまったのです。
そして、ここが面白いところなのですが、バナーブラインドネスが高まるにつれて、広告のフォーマットにイノベーションが起きてきました。みなさまもきっと、イノベーティブなディスプレイ広告を目にしたことがあるでしょう。クリエイティブな広告は、周囲から際立っていて、人々のアテンションを引きつけ、離しません。
例えば、ディズニーのこの印象的なバナー広告は、大胆なデザインと人気キャラクターを使ってアテンションを獲得しています:
また、Ridgeのこちらの広告のように、シンプルなグラフィックに示唆的なメッセージを添えるというアプローチもあります:
最近では、広告主は既成概念にとらわれることなく、これまで以上に人目を引き、アテンションを集め、クリエイティブな広告を作る必要に迫られています。
バナーブラインドネスがすぐに立ち消えることがない今、イノベーションを起こすしか道がないのです。そこで役立つのがテクノロジーです。スマートテクノロジーによって、スクリーンから飛び出すようなインタラクティブな広告をこれまで以上に簡単に作成できるようになりました。
Outbrainは、次のような先進的なプレースメントにおいて、インタラクティブな広告フォーマットという領域で業界をリードしています:
- 複数の商品を1つのユニットで紹介するカルーセル広告
- 魅力的な動画コンテンツでユーザーを惹きつけるClick-to-Watch 動画広告
- 素早くアテンションを獲得するプリロール動画広告
- その他、広告の仕様についてはこちらをご覧ください。
こうしたインタラクティブな広告は、今日のユーザーが単に受動的にコンテンツを消費するだけでなく、コンテンツに関わることを望んでいるという理解に基づいて構築されています。
バナーブラインドネスを克服するための大きな一歩は、価値の交換を提供することです。つまり、ユーザーのアテンションを獲得するのと引き換えに魅力的なユーザー体験を提供するのです。
バナーブラインドネスを克服する戦略
みなさまの広告に気づいてもらうためには、ユーザーにとって関連性があり、魅力的である必要があります。ここでは、ノイズを切り抜けるための戦略をいくつかご紹介します。
1. 広告をパーソナライズする
私たちは皆、誰かが自分に注目してくれることを好ましく感じます。自分のことを見てくれている、理解してくれているというのは、とても気分がいいものです。それがパーソナライズの力です。
パーソナライズされた広告は、会話に近く、ターゲットとする見込み客の頭の中で交わされている会話に入り込もうとしているのです。従って、ただメッセージを「配信する」のではなく、「会話を始める」べきなのです。
例えば、若手起業家向けのコーチングサービスを宣伝するのであれば、あなたのサービスについてもっと知りたいと思わせるようなビジュアルや言葉を使いましょう。「ビジネスベンチャービギナーを導く経験豊富なサポーターをお探しですか」と語りかければ、あなたが彼らの課題や悩みを理解していることを伝えることができます。そして、「経験豊富な起業家による7つの重要なスタートアップ戦略 – 今すぐダウンロード」のようなCTAを活用してフォローすることで、好奇心を高めていきます。
2. 正確にターゲットを絞る
バナーブラインドネスの時代には、もはや画一的な広告は存在しません。できるだけ早くユーザーをセグメント化し、さまざまなターゲットペルソナにアピールできるように広告を調整しましょう。
ネイティブ広告は、様々なセグメントにおけるユーザーのオンライン体験に広告を接続することができる素晴らしい方法です。ネイティブ広告は、従来のバナー広告とは異なり、コンテンツに溶け込むため、押し付けがましくなく、より魅力的に見えます。ユーザーのセグメンテーションをしっかり行えば、適切な場所に適切なタイミングでネイティブ広告を掲載し、アテンションを獲得することができます。
3. インタラクティブな広告を使う
インタラクティブな広告は、単に広告を見るだけでなく、ユーザーの興味を誘います。アテンションを獲得するのにとても効果的な動画などのマルチメディア要素を取り入れてみましょう。GIFやクイック投票のようなインタラクティブな要素も、エンゲージメントを高める可能性を高めてくれます。こうしたフォーマットは、人々の興味を持続させ、なんといっても、より記憶に残る体験を作り出すことできるというメリットを持っています。
4. 慎重に計画し、最適化する
何度も同じ広告をユーザーに配信すると、広告疲れを引き起こす可能性があります。逆に、露出が少ないと広告に気づいてもらえないかもしれません。絶妙なバランスが必要になります。
最善の方法は、アナリティクスを使って広告を表示する最適なタイミングと表示頻度を把握することです。目指すべきは、広告を大袈裟に感じたり、煩わしく思うことなく、新鮮で魅力的であり続けることです。
事例紹介:SNCF ConnectがOutbrainでバナーブラインドネスを克服した方法
フランスの大手鉄道会社であり、オンライン旅行代理店でもあるSNCFは、2022年にリブランディングを行い、すべてのサービスを新たなブランド「SNCF Connect」に統合しました。
SNCF Connectは、テレビ、SNS、検索広告、ディスプレイ広告、オープンウェブマーケティングを含む複数のチャネルで、このリブランディングのプロモーションを行いました。そして、SNCF Connectは、リブランディングキャンペーンをより効果的なものにするためにOutbrain と提携したのです。
Outbrain のClick-to-Watch(CTW)広告は、従来のバナー広告から、よりインタラクティブなフォーマットにシフトしたものです。CTWでは、ユーザーが動画を再生したい場合にクリックする必要があります。これにより、視聴者のエンゲージメントが高まり、バナーブラインドネスが克服されることが証明されました。
キャンペーン後のブランド調査による結果:
- 全ユーザーのブランド想起:45%増加
- 動画を視聴したユーザーの認知度:23%上昇
- ブランド想起率:33%向上
この事例は、適切なユーザーをターゲットにした適切なクリエイティブであれば、広告疲れは克服できることを証明しています。
バナーブラインドネスを克服するためのネクストステップ
バナーブラインドネスは、デジタルマーケターにとっては、大きな課題です。これを克服するには、既成概念にとらわれず、イノベーティブなソリューションを活用することが必要です。
オンライン体験上でノイズを排除する鍵は、ユーザーがあなたの広告ともっと対話するように設計することにあります。Click-to-Watchは、エンゲージメントを高めることが証明されています。実際、調査対象となったユーザーの97%が、他のすべてのネイティブフォーマットと比較してClick-to-Watchを好むと回答しています。その他の戦略としては、パーソナライゼーションや、ユーザーの行動や嗜好を深く理解することなどがあります。
そして何よりも重要なのは、新しいトレンドやテクノロジーを常に探求し続けることです。デジタル広告の最先端をキープし、バナーブラインドネス克服にむけて、今後もOutbrain のブログを参考にしていただけましたら幸いです。
*このブログは、Outbrian Incより、2024年2月に発表されたものを意訳したものです。